2023年6月16日|LGBTQと多様な性

「LGBTQと多様な性」授業のサムネイル画像(寺子屋生Kapoさん作成)

SNS等で性に関する情報発信をしながら、寺子屋で活動されているもこさん。
LGBTQを含む多様な性の在り方について、わかりやすく教えてくださいました。
ご自身の経験や性に関する疑問を持った子どもたちへの接し方についてもお話して下さっています。

※こちらの授業は寺子屋生の保護者の方を対象に作られています。
※2023年6月16日当時の情報のため、現在は変化している場合もございますのでご了承願います。

YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=r1n3ZAw3qfQ&t=2495s

目次

もこさん自己紹介(YouTube 0:33)

※各見出しのカッコに入った数字はYouTubeのタイムラインです。

今日はLGBTQと多様な性~セクシュアルマイノリティは多様で多くの形があります~というテーマで授業をしていきたいと思います。

最初に自己紹介をさせてください。
私はLGBTQの当事者であり、ゲイです。
高校生の頃からLGBTQやHIV/AIDS、STI(性感染症)などに興味を持ち、ホームページを作成、啓発・啓蒙活動を細々と行っていました。
現在はホームページやTwitter(X)、Facebookなどを運営しながら、団体に所属し活動させていただいています。

今日はこちらで授業させていただきたいと思います。

LGBTQの基礎知識(1:44)

まずLGBTQの基礎知識を学ぼうということなんですけど、LGBTQって皆さん聞いたことありますか?

(複数のエモート)

おっ分かってらっしゃる。すばらしいです。
LGBTQを学んでいただくにあたって、ちょっとだけ最初に説明しなきゃいけないところがあるので、そちらを一緒に勉強していこうかと思います。

性的指向や性自認って聞いたことありますか?

(複数のエモート)

おっ聞いたことありますか。あ、皆さんありますね。

「どういった人を好きになるか?」を性的指向、「自分の性別を自分でどう思うか?」を性自認と言います。
性的特徴に基づいて、戸籍上の性別が割り当てられていることを性的特徴と表します。
服装、しぐさ、言葉遣いなどをひっくるめてジェンダー表現と言います。
それを頭の片隅に入れておいていただければと思うんです。

勉強するにあたって使っていただくグラフがあります。
このグラフを使って、後々授業を進めさせていただきます。

身体の性、心の性、好きになる性、表現する性の4つの項目について、左にいくほど男性、右にいくほど女性の指向であることを表したグラフ。

最初に「身体の性」について説明させていただきますね。
「身体の性」は身体的特徴で割り当てられた性別、こちらは性的特徴と同じですね。

「心の性」は自分の性をどのように認識しているかという性自認のこと。

「好きになる性」はそのまま自分が好きになる性別ですね。

「表現する性」は先ほどのジェンダー表現と同じなんですけど、女らしさや男らしさなどを表したことを「表現する性」という形で表しています。

で、LGBTQの説明に移らせていただくんですけど…

(コメント)性的特徴、初めて聞いた

あ、性的特徴を初めて聞いたって方いらっしゃいますね。
じゃあ今日ちょっと一緒に勉強していきましょう。

L(レズビアン)について(5:23)

まずL、レズビアンと表現されます。
性自認が女性であり、かつ性的指向が女性に向いている。
これは心の性が女性であって、好きになる性も女性であるっていうこと。
この状態をレズビアンの状態をレズビアンと表します。

身体の性、心の性、好きになる性、表現する性の4つの項目について、左にいくほど男性、右にいくほど女性の指向であることを表したグラフ。
心の性、好きになる性が女性に寄っている。

なんで身体の性と表現する性のグラフに丸がついていないのかというと、
身体の性に関しては、「身体は男だけど」という場合もあるので、あえて丸は付けていません。

身体的な性も女性、心の性も女性、好きになる性も女性という形がレズビアンだと思われがちなんですけど、
中には身体の性は男性、でも心の性は女性、好きになる性は女性だよっていう時もあります。
その場合もレズビアンと表現されます。

これ、ちょっとわかりにくかったり紛らわしいところなんですけど、覚えていただければなと思います。

身体の性は男性女性どちらでも、心の性が女性で、好きになる性が女性であればレズビアンという形で表しますよということですね。

表現する性は固定されておらず、女性的な御方やボーイッシュな女性もいますので、あえて丸は付けていません。
このグラフ上で男の子っぽい人は男性に近い方に丸が付きますし、女性的な方は女性に近い方に丸が付く。
なのでこれも丸は付けていません。

<レズビアンを公表している著名人について>

レズビアンを公表している著名人の方を紹介させていただきたいんですけど、
美人すぎる女子バレーボール選手って聞いたことありますかね。
バレーボール選手なんですけど、滝沢ななえさんがレズビアンであることを公表しています。

あとは海外の女優さんですね、ジョディ・フォスターさん。
映画『羊たちの沈黙』とかに出ている方なんですけど、レズビアンであることをカミングアウトし、女性写真家のアレクサンドラ・ヘディソンさんと同性婚をしています。

G(ゲイ)について(8:24)

次にLGBTQのGなんですけど、Gってなんだかわかりますか?
わかる方、もしよければコメントとかいただければいいかなと思います。

(コメント)ゲイ?

そうですね、ゲイですね。

身体の性、心の性、好きになる性、表現する性の4つの項目について、左にいくほど男性、右にいくほど女性の指向であることを表したグラフ。
心の性、好きになる性が男性に寄っている。

性自認が男性であり、かつ性的思考が男性に向いている。
心の性が男性に向いている、好きになる性が男性である。

この場合も先ほどのレズビアンと同じように、身体の性も男性だと思いがちなんですけど、
中には身体の性は女性だけど、心の性が男性、好きになる性が男性という場合もあります。
その場合もゲイという形で表現されます。

表現する性に関しては、これも中性的な男性もいるため、あえて丸はつけていません。
これは先ほどと同じように、男性に近いよ、というと男性側に丸がつきますし、女性っぽいな、中性的だなという方は女性側に丸がつくという形ですね。

<ゲイを公表している著名人について>
有名な方だと思うんですけど、槇原敬之さん。ゲイであることを公表していらっしゃいます。

もう一人、海外の俳優さんですね。ウェントワース・ミラーさん。
『プリズン・ブレイク』で主役をやっていた方なんですけど、わかる方いらっしゃいますかね。
この方もゲイだということをカミングアウトしたことで知られています。

B(バイセクシュアル)について(10:45)

次はLGBTQのBですね。
Bも知ってるよという方いらっしゃいますか?

(コメント)バイセクシュアル

ありがとうございます。そうです、バイセクシュアルですね。
性的指向が男性女性の両性に向いている方をバイセクシュアルと表現します。

身体の性、心の性、好きになる性、表現する性の4つの項目について、左にいくほど男性、右にいくほど女性の指向であることを表したグラフ。
好きになる性の中央に丸がつけられている。

この場合、グラフは好きになる性だけに丸をつけさせていただきました。
好きになる性の中間に丸がついていると思うんですけど、男性女性どちらでも好きになりますよっていう方をバイセクシュアルと表現します。
人によってどちらの性に惹かれるかの強さは異なるので、もしかしたら真ん中じゃなくて男性に近かったり、女性に近かったりっていう場合もあります。

バイセクシュアルの場合、身体の性、心の性に関係なく両性を好きになるため、あえて丸は付けていません。
身体の性や心の性が男性だったり女性だったりという形で、いろんなパターンがあるため丸を付けていません。
表現する性も同様ですね。これも男性側、女性側、ジェンダー表現がいろいろ変わってくるので、あえて丸は付けていませんでした。

<バイセクシュアルを公表している著名人について>
こちらも結構有名な方なんですけど、メイプル超合金のカズレーザーさんですね。
実はバイセクシュアルだよっていうことをカミングアウトしています。堂々と公表していらっしゃいますね。

壇蜜さん。自分自身がバイセクシュアルであることをカミングアウトしていて、男性より女性が好きなこともあれば、女性より男性が好きなこともあると公表しています。

T(トランスジェンダー)について(13:24)

次、LGBTQのTですね。
これもわかる人っていますか、もしわかる方がいれば。

(コメント)トランスジェンダーかな?

そうなんです、トランスジェンダーです。ありがとうございます。
トランスジェンダーは性自認と身体的な性が一致していない方全般を指す言葉です。

青色の丸が身体の性が男性側、心の性が女性側にあり、黄色の丸が身体の性が女性側、心の性が男性側にある。

グラフがクロスしてるんですけど、
まず身体の性が男性だけど、心の性が女性だよっていう場合、
逆に身体の性は女性だよ、だけど心の性は男性だよっていう場合があります。

好きになる性は人によってどちらの性に惹かれるかは違うため、あえて丸はつけていません。

さっきのLとGのときに勉強したのと同じで、男性の身体で心の性が女性、その場合好きになる性は男性だと思いがちなんですけど、好きになる性は女性だという場合もあります。
通常だと男性だと思いがちだけれども変動する場合もあるので、あえて丸はつけていない。

身体の性が女性だけど、心の性が男性の場合、
通常だと心の性が男性なので、女性を好きだと思いがちなんですけど、男性を好きな場合があります。

心の性が女性で、好きになる性が女性の場合、トランス女性のレズビアンという形で表現されます。
心の性が男性で、好きになる性も男性の場合、トランスジェンダーのゲイという形で表現されます。

表現する性も個々により異なるためあえて丸はつけていません、というのが今のところですね。

青色の丸のところ、生まれたときに男性としての性を割り当てられたものの、女性として生きることを望むトランスジェンダーの方を指しています(MtF)
黄色の丸のところ、生まれたときに女性としての性を割り当てられたものの、男性として生きることを望むトランスジェンダーの方を指しています(FtM)

<トランスジェンダーを公表している著名人について>
トランスジェンダーを公表されている著名人の方を紹介させていただきます。
KABA.ちゃんさん、トランスジェンダーだよとカミングアウトしていたことで話題にもなりましたし、その後に性別適合手術も終えて、戸籍上も性別、名前を変更して生活していらっしゃいます。

元サッカー女子日本代表の横山久美さんもトランスジェンダーであることを公表しています。
自分みたいな立場の人たちが声を大にして言わないとまだまだ発展していかないと思った、という志を持ってカミングアウトしたという方ですね。

Q(クィア/クエスチョニング)について(18:40)

最後にLGBTQのQなんですけど、Qは実は2つ意味があります。

Q(クィア)

一つがクィアという表現ですね。
性的マイノリティ全体を指す言葉で、LGBT以外の性のあり方に光を当てるときに使われる場合もあります。
ただ元々は奇妙や変わったものを意味する英語で、性的マイノリティの蔑称、差別する言葉として使われてきた言葉なんですけど、「そうだけど、だから何?」という当事者のプライドを示すためにあえて使われるようになっています。

Q(クエスチョニング)

次にクエスチョニング。
自身のセクシュアリティがわからない、決めたくない。セクシュアリティは変わりうる。
特に思春期は模索中のため変わっていく人も多い、無理に決めなくてもいいよという形のことをクエスチョニングですね。

思春期の場合、どっちが好きなんだろう、男性だけど男性に目が行ってしまう、女性だけど女性に憧れる、だけど男性が好きだよとか、いろんな性のちょっとした模索している状態のところをクエスチョニングと表現されます。

その他(LGBTQ以外)について(20:35)

その他にも実はセクシュアルマイノリティの形はいろいろあるんですね。
最後にちょっとだけピックアップさせていただいたものを紹介させていただきます。

P(パンセクシュアル)

Pっていうものがあります。パンセクシュアルと表現されます。
意味は全性愛者のことで、すべての人を好きになる方です。

例えば男性や女性という2つの性別だけでなく、あらゆる性のあり方の人が好きになります。
レズビアンの人が好きだったり、ゲイの人が好きだよ、トランスジェンダーの人が好きだよとか、いろんな人のことを好きになる。もちろん異性愛者のことも好きになるよとか。
そういったものをみなさんひっくるめて好きになる全性愛者ことをパンセクシュアルと表現されます。

A(アセクシュアル)

Aですね、アセクシュアルと表現されます。
他者に対して性的欲求や恋愛感情を抱かないセクシュアリティのことです。
全く抱かない方もいらっしゃいますし、少しは抱くんだけどほとんど抱かないよという方もいます。

O(オブジェクトセクシュアリティ)

次にO、オブジェクトセクシュアリティという方がいます。
これは生物ではない物に対して、性的あるいは恋愛的に惹かれるセクシュアルマイノリティのことです。
人ではなくて物、例えば東京タワーが好きだよとか、エッフェル塔が好きです、観覧車が好きなんだとか、そういう無機物に対して性的あるいは恋愛的に惹かれるという方たちを指しているオブジェクトセクシュアリティという性もあります。

P(ポリアモリー)

次にP、ポリアモリーという形で表現されます。
多重恋愛と日本語で訳されている言葉です。
同時に複数の人と恋愛関係を持つという意味です。
関係している人の合意に基づいた上で、他の方々と同時に恋愛を続けることを意味します。

マイケル富岡さんという方、ご存知の方いらっしゃいますかね。
チームマイケルという形で、複数の女性と恋愛関係を築いていらっしゃった方なんですけど、ああいう形をポリアモリーと表現されます。
あとは一夫多妻制とかもポリアモリーに入るかなと思いますね。

自分の性自認や性的指向を考えてみよう(24:24)

次に自分の性自認や性的指向を考えてみよう!ということで、
身体の性、心の性、好きになる性、表現する性、これらを自分でグラフに簡単に描いてみて、
丸はどっちにつくかな?と考えてみます。

もしかしたら身体の性は男性、心の性は男性、好きになる性も女性だよという異性愛者さんだけど、表現する性は実は少し女性的なところがあるかもしれないという場合、ちょっとだけ女性に向いているところに丸がついたりという気づきがあったりするかもしれないので、やってみると面白いと思います。

多様な性の形(25:22)

今回紹介したセクシュアルマイノリティはほんの一部で、この他にも多様な性の形はたくさんあります。

セクシュアルマイノリティは、日本の多くの調査では5%から10%いると言われています。
例えば1クラス40人というクラス、今だとちょっと少ないかと思うんですけど、40人くらいのクラスであると、3人くらいセクシュアルマイノリティの方がいることになります。

日本とかアメリカとかでちょっとパーセンテージが変わってきたりするんですけど、日本での例ですね。
40人なら3人くらいいることになるという形です。

ちなみに一般的な異性愛者の方はヘテロセクシュアルと表現されます。
この他にもノンケやストレート、あとはヘテロセクシュアルの上の部分をとってヘテロと表現されたりします。これが異性愛者のことですね。

次にアライという方がいます。

アライとはアライアンスからやってきた言葉です。
アライアンスは同盟、提携を意味しており、アライはLGBTを理解し支援する人という意味で使われています。
アライはLGBTQのようにまだまだ広く知られている存在ではなく、理解が進むのはこれからです。
今後LGBTQと同様に認知が進み、支援の輪が広がっていけばいいなと思っています。

「アライさん」って言ったりするんですけど、一緒にパレードを歩いてくれたり、団体とかにアライの人も所属していたりするっていうことも結構多いです。
当事者ばかりじゃないんですね。アライの方も紹介させていただきました。

思っている以上に身近にセクシュアルマイノリティの方は存在しています。
セクシュアルマイノリティについて全くわからない人たちもまだまだたくさんいると思います。

私たち当事者は十人十色なセクシュアルマイノリティの方々がいるということを知ってほしいのです。
みんなが生きやすい世の中になることを祈っています。

雑談・質問など(28:33)

何か質問とかがあればコメントしていただければ、わかる範囲で答えられたらなと思います。
皆さんありがとうございました。

トランスジェンダーちょっとわからないよーとか、クィアがわからなかったよーとか。
他にどんなセクシュアルマイノリティがあるの?とかあれば、コメントいただければと思います。
わかる範囲で答えさせていただきます。

(コメント)Xジェンダーについて

Xジェンダーはちょっとカンニングペーパーを見ます。
当事者であっても実はいろんなジェンダーがあって、100%理解しているっていうわけではなかったりするんです、ごめんなさい。

Xジェンダー、性自認が男性にも女性にも当てはまらない人のことをXジェンダーと表現しますね。
性自認は自分の性別を自分でどう思うかですね。これが男性女性にも当てはまらない。
自分をどう思っているか。男性女性どちらとも思っていないっていう方をXジェンダーと表現されます。
大丈夫でしたでしょうか。

(コメント)LGBTの子は、どう接してもらえたら助かるのかな?

ありがとうございます。
お子さんの方から、男の子なんだけどちょっと目が行くのが同性なんだけどどうしたらいい?っていう質問を受けたり、女の子なんだけど女の子に目がちょっと行ってしまうっていうことを言われた場合、カミングアウトされた場合は、そのまま受け入れてあげる。
もしくは話を聞いて同意するというか批判しない、否定しないということが一番だと思います。

カミングアウトできない子もたくさんいるかと思います。
そういった子に関しては、あえてLGBTだよねっていうのを言われると、なんでわかるの?隠してたのにカミングアウトするつもりはなかったのに、っていう方がいっぱいいると思います。

それをこっちから言ってしまうと、「えっ?」ってなってしまうと思うので、あえて他の子と同じように接する、そういったことが必要かなと思います。

こんな感じで大丈夫でしょうか。
基本的にはみんなと同じように接してもらえると助かるかなと思います。

(コメント)本人が言うまで待ちますね~、ありがとうございます☆

そうなんです、本人が言うまで待ちですね。

(コメント)かなり複雑ですね。お互いに理解できればとてもいいと思います。

そうですね、ありがとうございます。
なかなかセクシュアルマイノリティは本当に多様で、細分化されすぎているところもあるんですね。
それをお互いに理解、みんなが理解するっていうことは結構難しいことなんですね。
理解できないこともやっぱり結構あるかと思います。
理解できないと言われた場合、何か敵対心を抱かれる前に、少し距離を置いてみたりするのもいいかと思いますね。
理解できるという方であればこれがアライという形になります。
一緒に普通に接してくれる人がいればいいかなと思います。

(コメント)性自認はコロコロ変わったりしますか?

そうですね、基本的には変わらないとは思うんですけど。
トランスジェンダーだと思ってたんだけど、手術をした後にもしかしたら自分はトランスジェンダーじゃなかったかもっていう、手術までしてしまったのに実は性自認がちょっと違うかったかも、っていう場合があるらしいんですね。
そういったことを聞いたことがあって、性自認が変わるっていう場合も、もしかしたらあるのかなぁとちょっと思っています。

(コメント)
日本もまだまだと国が同性婚が認められることができないため、世界から見たら遅れている感じがします。
パートナーシップ制度がもっと認知されれば国が動くかもしれないですね。

そうですね。パートナーシップ、だんだんだんだん広がってはいますけれども、まだまだ認知されていなかったり、パートナーシップ制度なんて必要?っていう方も結構いらっしゃるんですね。
そのためちょっと普及することが遅れている。

あとはパートナーシップ制度って実は法的な縛りは全くありません。
パートナーシップ制度を利用している方、家族でなくてもパートナーが倒れてしまった場合、病院に一緒に付き添いができますよっていうのを…なるべくそうしてあげてくださいっていう制度なんですね。

ただこれも病院とかによって違うので、パートナーシップ制度に入っているんですけど、
お互いにパートナーシップ制度を結んでいるんですけど、っていう場合でも認めてくれない病院があったりします。
いやあなた家族ではないですよねっていう形。
その場合、同性婚じゃないとやっぱり認められない。
家族として認められないために、パートナーの付き添いができなかったりっていう場合もございます。

パートナーシップ制度どうなのかなっていう感じも実はしています。
海外だとアメリカの全部の州ではないんですけど、シビル・ユニオンっていうのがあります。
事実婚っていう形の制度を謳っている制度なんですけど、それは異性も同性も使える制度、しかも法律で守られている、法律的にも保障されているっていうのがシビル・ユニオンっていう制度なんですね。

それが日本にも入ってこれば、同性婚じゃなくても法整備がされているので、パートナーが倒れた時に付き添えたりするっていうことができる。
万が一パートナーが亡くなってしまった場合、遺産の相続が得られたりっていう形になります。
そういう遺産とかっていうよりは、一緒にいて、事実婚、夫婦だよっていう認められるっていうことが当事者からしたら一番うれしいのかなと思います。

(コメント)
性については実はグラデーションであり、分けるものではないと聞いたことがあります。
そのことが広がれば理解が深まるかなと思ったりします。

そうですね。性についてはグラデーションであり、そうなんです。
LGBTQってちょっとカラフル、虹があったり、LGBTQの文字もカラフルだったりするんですけど。
これなんでかなっていうと、LGBTQのシンボルカラーっていうのはレインボーなんですね。
なのでレインボープライドとかレインボーパレードとか言ったりするんですけど、そういったパレードの時にレインボーのフラッグを持って歩いたりする、それがグラデーションっていう形で表現されているんですね。

不確定であるので分けるものではないっていうことでもあるかと思います。
好きになる性を決めていないとか、自分の性を決めていないとか、クエスチョニングとかですね。分けるものではない。
そこが広まれば理解がもっと深まっていくかなと思っています。

結構ね、セクシュアリティって本当に多種多様で、多様な性っていうぐらいなので、いっぱいあるんですね。
実はLGBTQQIAAPPO2Sとかって表現されたりすることもあるぐらい、いっぱいあるんですね。

(コメント)身体的特徴において、男女両方を備えた方もいますか?

そうですね。
身体的特徴において男女両方を備えた人もいます。
これを両性具有っていうので表現されます。

ただしそれは完璧な男女両方を備えたっていうわけではなくて、外(身体的特徴)から見たときに男女両方を備えているんだけれども、身体の内部の特徴は女性だとか男性だとか、完璧ではないですね、不完全な状態を両性具有といったりします。

これも珍しいですね。
聞いたことは自分自身もあるんですけど、会ったことはないですね。
ただ、両性具有っていうのは確かに存在します。

(コメント)差し支えない範囲でかまいませんので、もこさんご自身のこれまでの人生をお伺いできますか?

私の人生をお伺いできますかっていうことですね。

自分はLGBTQ当事者だっていうのに気づいたっていうよりは、幼稚園ぐらいから男の子に目が行っていました。
幼稚園の頃から性自認とかを理解していたっていうわけではないんですけど、もう同性を好きになるっていうことを理解していました。

ただそれが小学生、中学生と進んでいくうちに、みんなは異性を好きになるのに、なんで自分は同性に目が行ってしまうんだろうって思って悩んだり葛藤したりもしました。

誰かに相談もできないし、どうしようって思っていました。
先生にも言えないし、スクールカウンセラーとかにも言えないっていう子がほとんどだと思うんですよね。

ただ今の時代と自分の時代は結構変わっているかと思うので、学校でカミングアウトするっていう子も結構多いと思います。

ただ、それをみんなが理解してくれるかっていうと、仲のいい子が理解してくれたりっていう場合もあるし、ちょっと距離を置かれたりっていう場合もあるんですね。
なので、リスクがあるということも言えます。

自分の場合は、カミングアウトは女性の友達3人にカミングアウトをしました。
その時にはなんともなかったんですけど、だんだんと距離を置かれました。
結局、3人とは今現在音信不通です。
結構仲の良かった友達で、高校を卒業後もカミングアウト後も一緒に飲みに行ったりとかもしていました。
でも、やっぱりちょっと離れていってしまった。
なので、カミングアウトって実はすっごいリスクのあることです。
なので、結構難しい。

言ってほしいって、友達がLGBTQ当事者なんだろうなって思う方もいると思います。
ちょっとトランスジェンダーっぽいかもとか思ったりもすると思うんですけど、それをあえて追求したりしない方がいいと思います。
カミングアウトしてくれるのを待つ、もしくはカミングアウトしてこない場合は普通の友達と同じように接してあげるっていうのがこちらも大事だと思います。

そうですね、自分の人生はそんな感じでカミングアウトは失敗に終わりました。
ただ後悔はしていません。
カミングアウトすることによって自分の中に押し込んでいたものを出すこともできましたし、カミングアウトすることで楽にもなれたかなと思っています。

カミングアウトってやっぱりその人その人の自由なんですよね。
なので強要しないっていうこともだし、こっちからはゲイだよねとか言わないほうがいいのかなと、個人的な見解ですけど個人的には思っています。

自分も職場とかで言われたりしましたが、その時は「えっ何言ってるんですか、ちゃんと女の子好きですよ」って言うようにしてました。
同級生へのカミングアウト失敗してたので。
っていう人生を送ってきました。

そういうのもあって、LGBTQっていうのを特に知ってほしかったっていうのが、今現在いろんな活動をしていることにつながっていると思います。
なのでそういった意味でも後悔はしていません。

今だと多分同性カップルが手をつないでいたりすると、特に男性のカップルが手をつないでたりすると二度見されたりすると思うんですね。
LGBTQのことをみんなに学んでいただいて知ってもらうことっていうのが、今後今の子供たちが大人になった時、同性婚が実現していたりすれば、みんなから同性カップルが手をつないで歩いていたりすることをなんとも思わずに見てもらえる…とか。
それが当たり前のような世の中になっていくのが目標だと思っています。
そうなればいいなぁと思って活動もしています。

こんな感じでよろしいでしょうか。

(コメント)ありがとうございます

ありがとうございます。

(コメント)人が離れても悲しさはあるけど、それが失敗かどうかはわからないと思いますよ。

たしかに、それはそうですね。
失敗かどうかはわからないと思います、たしかに。
悲しさはたしかにありましたね。
失敗かどうかはわからないのかな。
うん、そう言われるとそうかもしれません。

カミングアウトってやっぱり難しいんですよね。
その中でアウティングっていうのがあります。
アウティングっていうのは、友人に実は自分ゲイなんだけどとカミングアウトして、それを聞いた友人が違う人にあいつゲイなんだってよって言ってしまうこと。
それが一番恐れていることです。

前にそういったことで自殺してしまった方がいて、裁判にもなった例があるかと思うんですけど、多分知ってらっしゃる方は知っているかなと思います。

(コメント)大学生でいましたね

そうなんです、大学生さんでしたね。

アウティングっていうのが一番やってはいけないこと。
本人の意思を聞いてから、言ってもいい?とか…言ってもいいって言うことも、あの、どうなんでしょう。
聞くことは大事ですね。本人に聞いてから言う、伝える。
だからと言ってその伝えることがいいかって言うと、友人同士でちょっとまた何かが生まれるかもしれないので、やっぱり本人が伝えるっていうのが一番いいと思います。

本人が伝えたいときに本人から伝える。
それをまた聞きした状態でカミングアウトする、アウティングするっていうのは、やっぱり一番リスクのあることかなって思うことなので、そこは言わないほうがあまりいいのかなと思います。

(コメント)私の知り合いの男性カップル、カナダで結婚して日本で普通にカミングアウトして生活してるけどいろいろ大変なんだね

そうですね。カナダで結婚する、バンクーバーとかですかね。
バンクーバーだと同性愛者の街っていうか2丁目のもっと大きい版みたいなところがあるんですね。

異性愛者も同性愛者も両性愛者もみんなが暮らしていて、手をつないで歩いてたりするのも当たり前。
異性愛者も共存していて、男性カップルが手をつないでたとしても異性愛者の人は何も思わないで生活している街っていうのがある。
そこの街は横断歩道がレインボーカラーになっていたりするっていうカラフルな街なんですね。
まさに多様性っていう街です。

日本で普通にカミングアウトもされているんですね。
すばらしいと思います。
いろいろ大変ですね、やっぱりそこまで行く過程で多分いろんな大変なハードルはあったかと思います。

多分普通にカミングアウトしているってことなので、両親とかにもカミングアウトしているんだと思うんですけど、両親にカミングアウトするっていうのはとてもリスキーなことなんですね。

それを多分されていらっしゃるので、とても大変な道のりを歩んできていらっしゃる知り合いの方、ご友人なのかなと思います。

(コメント)日本もそうなるといいね

そうですね。バンクーバーのようになれば本当に生きやすい社会が生まれると思います。
自分の時代では無理でも、今の子たちが大きくなった時に同性のパートナーと手をつないで、街を歩いてショッピングしたりデートをするとかっていうのができるようになって、とってもいいのかなと思います。

(コメント)いつもニコニコしているから、そこまで考えてなかった、知れてよかったです

幸せを振りまいてくれているカップルなんですね。
とてもいいカップルさんだと思います。

(コメント)自分自身のことを相手に伝えるのは、苦しくなるくらい勇気がいりますよね

そうなんですよね。
自分自身のことを相手に伝えるのは本当に胸が苦しくなるぐらい勇気がいります。
で、恐怖もあります。
なので、ものすごいリスキーなので、伝えるっていうのは本当に勇気がいりますね。
それをやっているっていう方は本当にすばらしいなと思います。

こんな感じでちょっと楽しく生きていこうかなーって思っています。
LGBTQだからと言って恥じることはないと思っていますし、後悔もしていません。
また生まれ変わっても LGBTQでもいいと思っています。
ゲイで生まれてもまた楽しく生活できるんじゃないかなと思っています。
なので後悔はしていません。

実は自分もパートナーがおりまして、パートナーとちょっと外食をしようかなと思っています。

(コメント)外食楽しんできてください、ありがとうございました

(ハートのエモート)

ありがとうございます、皆さん。
すいません、自分ののろけ話を言ってしまった。

(グッドのエモート)

何かわからないことがあれば、いつでもいいので、聞いていただければ、一緒にお話できますし、考えることもできるかなと思います。
もしかしたらちょっと当事者の方がいるかも、友人でいるかもしれないとか、そういった相談とかにものれるかなと思いますので、いつでも質問いただければなと思います。

ご静聴ありがとうございます。
そして皆さんコメントありがとうございます。いろんなコメントこちらも勉強になりました。
緊張してちょっと噛んでしまったりしたところもあったと思うんですけど、聞いていただいてありがとうございます。

今後も授業をしていこうと思っているので、また次回も聞きに来ていただけたらなと思います。
その時はLGBTQ関係ではありますが、別のテーマでしていこうかなと思っています。よろしくお願いいたします。

動画内の雑談中に話題にあがっている「おしゃべりカフェ」は現在休止中です。
DiscordやもこさんのSNS等でお話していただけたらと思います。

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